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有機JASの年次調査

今日は、有機JASの年次調査でした。2001年に有機認証を受けてから、19回目の調査となりますが、今年も有機認証団体の検査員の方と一緒に、30か所以上の茶園、農機具庫、荒茶工場、貯蔵庫、加工場と回り、記録の確認などをして頂きました。

当初は、1984年に農薬も化学肥料も使わない有機栽培を始めて以来、愛着があった「有機栽培」という言葉を使い続けたくて取得した有機認証でした。しかし、今は「茶園管理⇒製茶⇒貯蔵⇒加工・袋詰め」まで、すべての工程において「いつ」「どこで」「誰が」「何をした」という記録を付けながら、お茶をつくりあげていく有機JASの品質管理を継続していくことが、確実にお茶をお届けしていくためにも、大切なことだと考えています。(岩田文明)

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2019年産の紅茶について(3)

当園の茶園は、奈良・月ヶ瀬の山間(やまあい)に、40か所以上にも点在しているので、少しずつ、いろいろな種類のお茶をつくりやすい環境にあります。紅茶も、毎年、10種類ほどの品種からつくっているのですが、これらの紅茶を飲み比べた時、出来るだけ、それぞれの特徴の違いを感じて頂きやすいように、製茶することを大切にしています。そのポイントの一つは、「発酵をやや浅めにする」ことだと考えています。ちょっとだけ、青い風味が残るタイミングで、発酵止め(殺青)していきます。因みに、発酵が進んだ紅茶は飲みやすくなりますが、どんな品種でも同じような特徴になり、品種の違いが判りにくくなります。いっぽうで発酵が浅すぎると、個性(癖)が強すぎる紅茶となる傾向があります。

今年、発酵止めの工程を改善したことで、発酵をやや浅めにした時の「青い風味」が、良い感じで殺青され、それぞれの品種の特徴の違いを、これまでより美味しく感じられるようになったと思います。製茶時に、やや浅めに発酵止めをした際、私が感じていたた品種ごとに異なる「青い香り」は、次のようになります。

●有機紅茶月ヶ瀬べにふうき:桃と花粉とが混じったのような刺激的な香気の中に残る薬草のような香り。

●有機紅茶月ヶ瀬べにひかり:ほんのりとしたマスカット系の香りがベースにある、メンソール系の香り。

●有機紅茶月ヶ瀬べにほまれ:清涼感のあるスズランのような香りの中に残る薬草のような香り。

●有機紅茶月ヶ瀬春摘み:やさしい甘い香りの中に残るリンゴの皮と若草が混じったような爽やかな緑茶系の香り

※2019年産の「有機紅茶月ヶ瀬春摘み」ですが、今年は収穫開始4日前に30年に一回クラスの大きな遅霜があったため、軽度の凍傷を受けて生育した若芽(やぶきた)で製茶したロットを20~30%程ブレンドすることで品質のバランスをとりました。紅茶の場合は、ウンカ等の害虫に食害され新芽に傷がつくことで独特の良い香気が発揚(ストレス反応)します。軽度の凍傷を受けたことを、ストレス反応による今年の特徴と考え、ブレンドしました。

最後に、2019年産より、「揉む工程」でやさしく揉むように改良したため、これまでより、ゆっくりと成分が抽出されるようになりました。時間を長めに抽出して頂くか、何煎か淹れて頂くかで、調整していただくたくお願いします。苦渋味などの雑味は、抽出されにくくなっています。

2019年産の紅茶を出荷させて頂く準備ができました。《2019バージョンアップ》で「有機紅茶月ヶ瀬春摘み」「有機紅茶月ヶ瀬べにひかり」「有機紅茶月ヶ瀬べにふうき」「有機紅茶月ヶ瀬べにほまれ」の4種を9月17日(火)出荷分から、新紅茶に切り替えさせて頂きます。

今季もよろしくお願いします。(岩田文明)

 

 

 

 

 

 

2019年産の紅茶について(2)

2019年産の紅茶は、茶刈機で収穫したたくさんの茶葉でも、これまで手摘みで少量の紅茶をつくっていた製法と同じ原理で製茶できるよう大きく改善したことで、『飲み心地が爽やかでスッキリとした繊細な風味の紅茶』に仕上がっています。

このことは、製茶ラインを改良した効果に加えて、自然栽培(無肥料)あるいは有機栽培(植物由来の有機肥料に限定)に切り替え8年が経過したことによる特徴の表れでもあるのではないかと考えています。それは、同じ原料で製茶している当園の煎茶が、年々少しずつ「ほんのりとした甘みがあり、雑味なく透き通った飲み心地」に変化していることに似た傾向を感じるからです。

いっぽう、2004~5年に植えた紅茶品種「べにひかり」「べにふうき」「べにほまれ」は、今年で樹齢が14~5年となり、ようやく、自然栽培(無肥料)で安定した茶園になってきました。そのようなことからも、「奈良・月ヶ瀬で育つ特徴」も感じられる紅茶となってきたと感じます。

2019年産の紅茶を出荷させて頂く準備が出来てきました。先ずは、「有機紅茶月ヶ瀬春摘み」「有機紅茶月ヶ瀬べにひかり」「有機紅茶月ヶ瀬べにふうき」「有機紅茶月ヶ瀬べにほまれ」の4種を、9月17日(火)出荷分から、新紅茶に切り替えさせて頂きます。よろしくお願いします。

次回は、品種ごとの特徴について、続きます。(岩田文明)

自然栽培(無肥料)を継続することで、周辺の落葉広葉樹林の色合いと調和してきた茶園。このように育った新芽を、煎茶や紅茶に製茶していきます。

自然栽培茶は、透明感のある水色になる傾向があります。

樹齢が15年となった「べにひかり」手前、「べにほまれ」奥

樹齢が15年となった「べにふうき」井口山茶園

 

 

 

2019年産の紅茶について(1)

当園では2001年に初めて紅茶づくりを開始してから、茶刈機で収穫したたくさんの茶葉で紅茶をつくる製茶ラインと、手摘みした少量の茶葉でつくる工房とで、出来た紅茶を比べながら、美味しい紅茶が出来るよう、毎年、少しずつ作り方を改良してきました。そんな中で、19年目となる今年は、手摘みで少量の紅茶をつくる製法と同じ原理で、たくさんの紅茶も作れるよう、「揉む(揉捻)」「発酵を止める(青殺)」「乾燥する」という3つの工程を、大きく改善した製茶方法で紅茶づくりに挑んだ年になりました。

5月に製茶した後、2019年産の紅茶は貯蔵庫で熟成していましたが、少し後熟して特徴が分かり易くなってきたので、いよいよ出荷開始させて頂く準備を始めています。

そこで、今年の紅茶をティスティングしたところ、すべてのロットで『飲み心地が爽やかでスッキリとしている中に「品種」や「地勢」の特徴の違いが繊細に感じられる紅茶』に仕上がっているという傾向があると感じました。製茶の観点からだと、『新芽を萎凋した(萎らせた)時の爽やかな香りが壊れないよう、やさしく揉めたことで、苦渋味もなく、萎凋香も保たれた発酵の香りとなり、発酵止め(殺青)によって、青臭等の雑味が引き算され、主張したい香気が残っている」という感じです。

さらに、これまでの紅茶は乾燥の際に茶葉表面が擦れて白くなっていましたが、乾燥方法を変えたことで、そのままの状態の色で仕上げられるようになりました。

おかげさまで、今年、3つの工程で、大切な目的を果たせるよう改善した成果が、出来上がった紅茶に表れているいると感じます。品種ごとの特徴について等々、次回に続きます。(岩田文明)

新芽を萎らせる「萎凋工程」。爽やかで甘酸っぱい香気が広がるとともに、新芽が揉める状態になります

2019年、新たに導入した揉捻機。揉盤中央部に突起がないので茶葉を破砕させることなく、撚り込みができる設計になっています。発酵促進の目的より、萎凋香が壊れないようやさしく揉み込むことができ、苦渋味も出にくくなります。揉みが浅い分、淹れる時は、ゆっくりと成分が抽出されることになります。

揉んだ後、発酵の木箱に投入される揉捻された茶葉。

ダージリンと同じ製法での発酵止め(殺青)。高温となった機内に、薄く茶葉が投入されていくことで、殺青され、発酵が瞬時に止まります。機内の設定温度、殺青時間は、まだ研究の必要があります

 

 

 

 

 

 

 

2019年産の一番茶でつくった煎茶と紅茶

5月に収穫した一番摘みの新芽で煎茶や紅茶をつくった後、3ヵ月が経ちました。現在出荷させて頂いている「一番摘み月ヶ瀬煎茶・冠茶・満月」は新茶の風味から、熟成した味わいに変化してきました。

貯蔵していた紅茶も熟成が進み、発酵を止めた時の香りが、しっかりと出てきました。新茶案内で紹介させて頂いた通り、今年は製茶方法を大きく改良しましたが、おかげさまで、その成果が出たと感じます。9月には、先ず「有機紅茶月ヶ瀬べにふうき」「有機紅茶月ヶ瀬べにひかり」「有機紅茶月ヶ瀬べにほまれ」「有機紅茶月ヶ瀬春摘み」で、2019年産の出荷を開始させて頂けるよう準備を始めていきます。(岩田文明)

点在する茶園毎に製茶した煎茶

有機紅茶春摘みとなる「やぶきた種」でつくった2019年5月産の紅茶

 

2019年の新茶のご案内ができました

今年は、昨年より1週間ほど遅いペースで生育しています。40か所以上に点在している茶園の中で、まずは『早生品種の「さえみどり」「さやまかおり」』から始まります。

2019新茶案内』が出来ました。今季も、よろしくお願い致します(岩田文明)

新芽を萎らせる森を拡張しました

2011年からつくり始めた「萎凋香煎茶」は、収穫した後、森の中で萎凋(新芽を萎らせる)してから加工しています。

この森は茶工場に隣接しているのですが、来月に備えて、もう少し拡張することにしました。拡張した場所には、イノシシが泥浴びしている所もあり、しばらくイノシシと陣地取りになりそうです。(岩田文明)

水田跡に植林した場所を活用します

イノシシの泥浴び場

萎凋網を並べる場所

2018年5月、この森で新芽を萎凋している様子

 

 

 

 

昨日のイベントで手摘みした新芽を、紅茶にしました

昨日のイベントで手摘みした一芯二葉の新芽。昨夜から、一晩萎らせ(萎凋)、今日は『揉捻⇒発酵⇒発酵止め⇒乾燥』という工程で、紅茶に加工しました。

今回の芽は、発酵を進めない方が個性が出たので、「やぶきた実生」は発酵浅め、「やまとみどり実生」は発酵を進めた標準的な方法で、仕上げてみました。

これからしばらく貯蔵熟成して、クリスマス頃を目安に、イベントに参加戴いた皆様にお届けさせて頂きます。(岩田文明)

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発酵浅めでつくった「やぶきた実生」

発酵浅めでつくった「やぶきた実生」

少し発酵を進めてつくった「やまとみどり実生」

発酵を進めた「やまとみどり実生」

仕上げた紅茶

仕上げた紅茶(やまとみどり実生)

 

夏摘み紅茶をつくっています

梅雨が明けた頃から、夏の新芽が収穫出来るタイミングとなり、夏摘み紅茶をつくっています。

今の季節につくる紅茶は、気温が高く、発酵で香気をつくれるので、しっかりと揉み込んで、出来るだけ紅くしていきます。。

6月に、番茶を収穫しなかった茶園で、整枝を兼ねながら、しばらく、紅茶を作り続ける予定です。(岩田文明)

 

 

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お茶の種植えをしています。

今日は種を植え始めて3日目。今年は初めて、紅茶品種「べにふうき」の実生も植えています。「べにふうき」を種子親として採った種は、大きさが不揃いな傾向があり、念のため、3つの大きさに分けて、別の筋に植えてみました。また、大きさが不揃いということは、似たものが出現する確率が低いかも知れないと思い、今回は、茶の木が一株育つポイントに10粒ずつ蒔いて、10本の苗から1本に間引けるようにしました。

どれぐらいの確率で、「べにふうき」と似たものが出現するかは、やってみないと分かりませんが、数年のうちに間引きをする時、見極めが、とても重要になります。(岩田文明)

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