月ヶ瀬健康茶園

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一番茶の収穫のこと

おかげさまで、当園の一番茶の収穫を、昨日、ほぼ終えることが出来ました。今日から雨降りの予報だったので、後半は、そのタイミングに合わせるように収穫と製茶を優先して進めました。

今年は、早い時期に芽が出る茶園の収量が極めて少ない傾向にありましたが、後半の「おくみどり」「やまとみどり実生」「べにひかり」などの晩生種は、収穫適期での収量が多かったです。また当初は、今年は早い時期に収穫が始まりそうな状況でしたが、結局、これらの晩生種は、例年並みの時期に収穫となりました。

今年は、しっかりと紅茶をつくることができました。

お待たせして申し訳ございませんが、今季もよろしくお願い致します。(岩田文明)

 

 

今季の収穫と製茶が終わりました

先日、秋番茶の収穫や製茶、秋整枝の作業を終えることができ、おかげさまで農閑期に入りました。これから3月中頃まで、冬の仕事をしていきます。(岩田文明)

 

 

 

 

収穫した新芽を萎凋する場所

新茶の時期になると収穫した一部の茶葉は、茶工場横の山の中で萎凋(萎らせる)して、萎凋香煎茶や萎凋香緑茶を製茶しています。これまでの場所から、もう少し山の奥に行くと涼しくて良い場所があるので、萎凋風景を思い浮かべながら、排水と整地作業をしました。(岩田文明)

農閑期に入りました

先日、おかげさまで、今季の収穫と製茶を終えました。締めは「べにふうき」でした。紅茶品種ですが、毎年、この時期に収穫する緑茶を花粉症対策の「べにふうき緑茶」にしています。

来春、美味しい紅茶が出来そうな園相になっています。岩田文明

秋番茶の収穫と同時に、整枝が完了した「べにふうき」の茶園

 

 

 

べにふうきの秋番茶

機能性成分が多い、葉の部分を選別していきます。

秋番茶の収穫と製茶

今日は雨でひと休みですが、現在、秋番茶の収穫と製茶の真っ最中です。収穫した秋番茶をみながら、焙じて良い香りが出そうなのは「有機ほうじ番茶」に、焙じずに(緑茶で)飲んで美味しそうなのは「有機秋番茶」に、なっていくように製茶していきます。(岩田文明)

有機栽培茶園での秋番茶収穫(梅ケ谷圃場)

 

 

 

 

有機JASの年次調査

今日は、有機JASの年次調査でした。2001年に有機認証を受けてから、19回目の調査となりますが、今年も有機認証団体の検査員の方と一緒に、30か所以上の茶園、農機具庫、荒茶工場、貯蔵庫、加工場と回り、記録の確認などをして頂きました。

当初は、1984年に農薬も化学肥料も使わない有機栽培を始めて以来、愛着があった「有機栽培」という言葉を使い続けたくて取得した有機認証でした。しかし、今は「茶園管理⇒製茶⇒貯蔵⇒加工・袋詰め」まで、すべての工程において「いつ」「どこで」「誰が」「何をした」という記録を付けながら、お茶をつくりあげていく有機JASの品質管理を継続していくことが、確実にお茶をお届けしていくためにも、大切なことだと考えています。(岩田文明)

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2019年産の紅茶について(3)

当園の茶園は、奈良・月ヶ瀬の山間(やまあい)に、40か所以上にも点在しているので、少しずつ、いろいろな種類のお茶をつくりやすい環境にあります。紅茶も、毎年、10種類ほどの品種からつくっているのですが、これらの紅茶を飲み比べた時、出来るだけ、それぞれの特徴の違いを感じて頂きやすいように、製茶することを大切にしています。そのポイントの一つは、「発酵をやや浅めにする」ことだと考えています。ちょっとだけ、青い風味が残るタイミングで、発酵止め(殺青)していきます。因みに、発酵が進んだ紅茶は飲みやすくなりますが、どんな品種でも同じような特徴になり、品種の違いが判りにくくなります。いっぽうで発酵が浅すぎると、個性(癖)が強すぎる紅茶となる傾向があります。

今年、発酵止めの工程を改善したことで、発酵をやや浅めにした時の「青い風味」が、良い感じで殺青され、それぞれの品種の特徴の違いを、これまでより美味しく感じられるようになったと思います。製茶時に、やや浅めに発酵止めをした際、私が感じていたた品種ごとに異なる「青い香り」は、次のようになります。

●有機紅茶月ヶ瀬べにふうき:桃と花粉とが混じったのような刺激的な香気の中に残る薬草のような香り。

●有機紅茶月ヶ瀬べにひかり:ほんのりとしたマスカット系の香りがベースにある、メンソール系の香り。

●有機紅茶月ヶ瀬べにほまれ:清涼感のあるスズランのような香りの中に残る薬草のような香り。

●有機紅茶月ヶ瀬春摘み:やさしい甘い香りの中に残るリンゴの皮と若草が混じったような爽やかな緑茶系の香り

※2019年産の「有機紅茶月ヶ瀬春摘み」ですが、今年は収穫開始4日前に30年に一回クラスの大きな遅霜があったため、軽度の凍傷を受けて生育した若芽(やぶきた)で製茶したロットを20~30%程ブレンドすることで品質のバランスをとりました。紅茶の場合は、ウンカ等の害虫に食害され新芽に傷がつくことで独特の良い香気が発揚(ストレス反応)します。軽度の凍傷を受けたことを、ストレス反応による今年の特徴と考え、ブレンドしました。

最後に、2019年産より、「揉む工程」でやさしく揉むように改良したため、これまでより、ゆっくりと成分が抽出されるようになりました。時間を長めに抽出して頂くか、何煎か淹れて頂くかで、調整していただくたくお願いします。苦渋味などの雑味は、抽出されにくくなっています。

2019年産の紅茶を出荷させて頂く準備ができました。《2019バージョンアップ》で「有機紅茶月ヶ瀬春摘み」「有機紅茶月ヶ瀬べにひかり」「有機紅茶月ヶ瀬べにふうき」「有機紅茶月ヶ瀬べにほまれ」の4種を9月17日(火)出荷分から、新紅茶に切り替えさせて頂きます。

今季もよろしくお願いします。(岩田文明)

 

 

 

 

 

 

2019年産の紅茶について(2)

2019年産の紅茶は、茶刈機で収穫したたくさんの茶葉でも、これまで手摘みで少量の紅茶をつくっていた製法と同じ原理で製茶できるよう大きく改善したことで、『飲み心地が爽やかでスッキリとした繊細な風味の紅茶』に仕上がっています。

このことは、製茶ラインを改良した効果に加えて、自然栽培(無肥料)あるいは有機栽培(植物由来の有機肥料に限定)に切り替え8年が経過したことによる特徴の表れでもあるのではないかと考えています。それは、同じ原料で製茶している当園の煎茶が、年々少しずつ「ほんのりとした甘みがあり、雑味なく透き通った飲み心地」に変化していることに似た傾向を感じるからです。

いっぽう、2004~5年に植えた紅茶品種「べにひかり」「べにふうき」「べにほまれ」は、今年で樹齢が14~5年となり、ようやく、自然栽培(無肥料)で安定した茶園になってきました。そのようなことからも、「奈良・月ヶ瀬で育つ特徴」も感じられる紅茶となってきたと感じます。

2019年産の紅茶を出荷させて頂く準備が出来てきました。先ずは、「有機紅茶月ヶ瀬春摘み」「有機紅茶月ヶ瀬べにひかり」「有機紅茶月ヶ瀬べにふうき」「有機紅茶月ヶ瀬べにほまれ」の4種を、9月17日(火)出荷分から、新紅茶に切り替えさせて頂きます。よろしくお願いします。

次回は、品種ごとの特徴について、続きます。(岩田文明)

自然栽培(無肥料)を継続することで、周辺の落葉広葉樹林の色合いと調和してきた茶園。このように育った新芽を、煎茶や紅茶に製茶していきます。

自然栽培茶は、透明感のある水色になる傾向があります。

樹齢が15年となった「べにひかり」手前、「べにほまれ」奥

樹齢が15年となった「べにふうき」井口山茶園

 

 

 

2019年産の紅茶について(1)

当園では2001年に初めて紅茶づくりを開始してから、茶刈機で収穫したたくさんの茶葉で紅茶をつくる製茶ラインと、手摘みした少量の茶葉でつくる工房とで、出来た紅茶を比べながら、美味しい紅茶が出来るよう、毎年、少しずつ作り方を改良してきました。そんな中で、19年目となる今年は、手摘みで少量の紅茶をつくる製法と同じ原理で、たくさんの紅茶も作れるよう、「揉む(揉捻)」「発酵を止める(青殺)」「乾燥する」という3つの工程を、大きく改善した製茶方法で紅茶づくりに挑んだ年になりました。

5月に製茶した後、2019年産の紅茶は貯蔵庫で熟成していましたが、少し後熟して特徴が分かり易くなってきたので、いよいよ出荷開始させて頂く準備を始めています。

そこで、今年の紅茶をティスティングしたところ、すべてのロットで『飲み心地が爽やかでスッキリとしている中に「品種」や「地勢」の特徴の違いが繊細に感じられる紅茶』に仕上がっているという傾向があると感じました。製茶の観点からだと、『新芽を萎凋した(萎らせた)時の爽やかな香りが壊れないよう、やさしく揉めたことで、苦渋味もなく、萎凋香も保たれた発酵の香りとなり、発酵止め(殺青)によって、青臭等の雑味が引き算され、主張したい香気が残っている」という感じです。

さらに、これまでの紅茶は乾燥の際に茶葉表面が擦れて白くなっていましたが、乾燥方法を変えたことで、そのままの状態の色で仕上げられるようになりました。

おかげさまで、今年、3つの工程で、大切な目的を果たせるよう改善した成果が、出来上がった紅茶に表れているいると感じます。品種ごとの特徴について等々、次回に続きます。(岩田文明)

新芽を萎らせる「萎凋工程」。爽やかで甘酸っぱい香気が広がるとともに、新芽が揉める状態になります

2019年、新たに導入した揉捻機。揉盤中央部に突起がないので茶葉を破砕させることなく、撚り込みができる設計になっています。発酵促進の目的より、萎凋香が壊れないようやさしく揉み込むことができ、苦渋味も出にくくなります。揉みが浅い分、淹れる時は、ゆっくりと成分が抽出されることになります。

揉んだ後、発酵の木箱に投入される揉捻された茶葉。

ダージリンと同じ製法での発酵止め(殺青)。高温となった機内に、薄く茶葉が投入されていくことで、殺青され、発酵が瞬時に止まります。機内の設定温度、殺青時間は、まだ研究の必要があります

 

 

 

 

 

 

 

2019年産の一番茶でつくった煎茶と紅茶

5月に収穫した一番摘みの新芽で煎茶や紅茶をつくった後、3ヵ月が経ちました。現在出荷させて頂いている「一番摘み月ヶ瀬煎茶・冠茶・満月」は新茶の風味から、熟成した味わいに変化してきました。

貯蔵していた紅茶も熟成が進み、発酵を止めた時の香りが、しっかりと出てきました。新茶案内で紹介させて頂いた通り、今年は製茶方法を大きく改良しましたが、おかげさまで、その成果が出たと感じます。9月には、先ず「有機紅茶月ヶ瀬べにふうき」「有機紅茶月ヶ瀬べにひかり」「有機紅茶月ヶ瀬べにほまれ」「有機紅茶月ヶ瀬春摘み」で、2019年産の出荷を開始させて頂けるよう準備を始めていきます。(岩田文明)

点在する茶園毎に製茶した煎茶

有機紅茶春摘みとなる「やぶきた種」でつくった2019年5月産の紅茶

 

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