月ヶ瀬健康茶園

文明語る

茶の木が育つ環境をつくっていくこと(ゴマフボクドウ編)

自然栽培・有機栽培を営んでいく中で、茶の木が生育しやすい茶園環境を、つくっていくことは、とても大切であると考えています。

今回は、通称「芯喰い虫」、正式には「ゴマフボクドウ」という虫についてですが、この幼虫は茶樹の芯に入って、茶株ごと枯らしてしまうこともあります。具体的に、まず茶樹の先のほうの細枝の芯から浸入し、食害しながら、個体が大きくなるにつれて、太い枝の芯に入り、最終には株元まで進んで茶株ごと枯らせてしまいます。

そこで、この「ゴマフボクドウ」の個体数を減らしたくて、次のような、二つの働きかけをしています。

 

●一つ目の働きかけ

茶園のなかで部分的に枯れた葉があれば、その部分を、引っこ抜く。

とくに幼虫が枝に侵入した第一段階の時期である5月後半~6月頃に、収穫作業をしながら、絶えず、見逃さずに、除去していくことが肝要です。

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5月後半~6月頃、茶園の中で、このように枯れた箇所を発見すれば、直ちに、枝ごと抜きます。

 

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このように樹木の芯には、「ゴマフボクドウ」が掘り進んでいるトンネルがあります。

 

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枝を縦に割ってみると、茶樹の芯にトンネルを掘って食害してる「ゴマフボクドウ」の幼虫がいます。そして、これを退治します。

 

父から聞いた話ですが、私の曽祖父である『「文四郎」は、ゴマフボクドウの幼虫を、食べていた』そうです。確かに、栄養は高そうです。

 

●二つ目の働きかけ

この「ゴマフボクドウ」は、茶園の上に覆ってきている(枯れた)落葉広葉樹の枝から、茶園に入ってきます。

そこで、茶園の上を覆っているような樹木を切り、浸入の根源をなくしていくことが大切になってきます。

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茶園の淵で、覆っていた落葉広葉樹を、切る。2015年12月 山ノ下団地茶園にて

 

切った木は、捨てることなく、活用・循環していきます。

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余すところなく、活用していきます。

 

2015年12月27日

月ヶ瀬健康茶園 岩田文明