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急増している「ナラ枯れ」から考えること

昨夏は、紅葉が始まったのかと、一見、勘違してしまうほど、ナラの大木が枯れていく「ナラ枯れ被害」急増しています(画像1)。枯れ始めたナラの木の株元に観に行くと、キクイムシが、太い樹木に入って侵入した跡があります(画像2)。若い木は枯れにくく、枯れていくのは樹齢40~50年以上の古木といった状況です。

地元新聞の記事によれば、「ナラ枯れ」は、カシノナガキクイムシが媒介する「菌」によってブナ科の樹木が枯れる伝染病ということです。

このように樹齢の高いナラの木だけが枯れていくことについて考えてみると、昔は、炭焼きや椎茸用の原木、薪の資源として、人里近くの山では、「落葉広葉樹林の樹木が樹齢20~30年となれば伐採⇒株元から再生⇒(20~30年経過)⇒伐採」というサイクルを繰り返してきました。しかし、近年(高度経済成長期後)は、山の木を伐採する人が少なくなる等、人の手が入らなくなったことで樹齢が高い「ナラ」が増え、生態系が崩れてきたことで、「ナラ枯れ」の被害を助長しているという見方もあります。

いっぽうで、この状況を茶山に置き換えてみると、茶山も人の手が入らなくなり、耕作放棄茶園が増えて年数が経過すると、「ナラ枯れ」のような現象が起きることも考えられなくはないのではないかと思います。

大切だと思うことは、自然の状態であった所を、伐採や開墾等によって、いったん人の手を入れることで自然環境が急激に変化しますが、営みを永年継続することで人と自然との均衡が保たれてきたということです。「ナラ枯れ」の状況を目の当たりにしたことで、自然環境と均衡のとれた茶業を意識したお茶づくりを進めていくことの意義を改めて感じました。

 

当面の生活においては、今後、枯れた樹木が、風や雨の日に折れて、道路に倒れ、非常に危険な状態になってくることが予測され、厳重な注意が必要です。

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真夏に枯れ始めてすべての葉が褐色になったナラの木(写真中央)。梅ケ谷茶園にて2015年8月撮影

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枯れ始めたナラの株元の様子。キクイムシが入った形跡がたくさんあります。(2015年8月撮影)

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昔は人通りも多かった人里近くの山道ですが、現在では獣と漁師さんが歩くぐらいです。(2017年1月1日 山歩きにて撮影)

 

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