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2018年の一番茶(新茶)の特徴を考える

今年の一番茶は、5月6日、早生品種「さえみどり」から始まり、5月25日の「べにひかり」を最後に収穫と製茶を終えました。収穫期間中、3~4日に1日ペースで雨の日もありましたが、適期摘採で、最後まで進めることが出来ました。

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収穫初日の「やぶきた」。宮山茶園。2018年5月6日。

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収穫10日前の「べにひかり」。井口山茶園。2018年5月12日

『新茶案内2018年』でもお伝えした通り、2017年の冬、西日本で32年ぶりといわれる寒さでしたが、当園の茶園は、外見上寒害もなく、無事、冬を越せたと思っていました。しかし、新茶を収穫して、煎茶や紅茶に製茶して、飲んでみると、昨年とは異なる環境で育ったと思われるような特徴が出ていました。とくに製茶直後、ほとんどの煎茶のロットで、これまで感じたことがないような苦渋味がありました。これらの煎茶を、新茶として出荷しても良いのかどうかを検討するほどの苦渋味だったのですが、不思議なことに、製茶後、10~20日程経過すると(5月後半頃には)感じられないようになっていきました。その他、例年と比較して、炭水化物由来の甘味が少なく、鼻に抜けるようなさっぱりとした香気があるロットが多い傾向にありました。例えば、「やぶきた煎茶」だと、2017年産は「若竹のような香味」であったのに対して、2018年産は「笹のような香味」となる傾向がありました。

このようなことから、2017年の一番茶はストレスが少ない環境で育った特徴であったのとは対照的に、2018年の一番茶はストレスがかかった環境で育った特徴になったと感じています。

5月に収穫する一番茶の特徴は、前年の夏以降の茶樹の生育具合で、どのようになっていくのか決まっていきますので、2017年の夏~2018年の春までの間の茶樹の生育がどうであったかが、2018年の一番茶の特徴に影響を及ぼすことになります。例えば「10月、台風が到来したことで秋雨前線が活発になり、10日間以上、雨が降り続いたこと」「1~2月に大寒波が到来したこと」「4月、雨量が多く夏日が続いたこと」等々・・・・、例年にない特徴的な気候の傾向が、茶樹の生育にストレスを与え、2018年の新茶の特徴となったのだと考えています。因みに、無肥料(自然栽培)あるいはそれに近い栽培(有機栽培)により、自然のリズムで茶樹が育つよう意識した茶園環境であるからこそ、気候の傾向が、素直に、茶の特徴となっていくことになります。

今年の一番茶は昨年とは対照的な特徴となり、いろいろと考えさせらたシーズンでしたが、毎年、自然に素直なお茶づくりを継続していく中での結果として、『今年は、今年に飲む必要性がある特徴をもったお茶に育っていた』のだと、今は確信しています。

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立地条件が異なる茶園毎の煎茶を飲み比べ。茶園毎の違いもありますが、全体的な今年の傾向というのも感じられます。

 

 

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