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見守るという感覚でお茶づくりをすること

2001年に就農してお茶づくりを始めた当初は、「作る人や飲む人の健康、そして環境にも良くないといった資材(農薬や化学肥料、除草剤など)を全く使わない栽培方法が大切」だと考えながら、自らがイメージする(市場の規格に似た)お茶をつくろうとしていました。その頃は、農薬や化学肥料を使わないことがハンデとなっているような矛盾した気持もありました。そうした中で、私自身が本来、どうしたいのか、いろいろと模索しながらお茶づくりを継続していくうちに「茶樹が自然の中で自らの力で育ち続けることが出来るような栽培方法が大切」だと考えるようになってきました。そう考えた時、私自身は、これまで以上に、茶園を観察するようになり、「手をかけるより、先ずは待ってみる」という感覚が新たに必要となってきました。そうやって「自然のリズムで茶樹が自らの力で育つことが出来るには、どうすれば良いのか」と考えるようになってからは、「農薬や化学肥料といった資材は、本来、必要の無かったものだった」という認識に変化してきました。『自然のリズムの中で複眼的な視点で観察を継続しながら、必要だと判断した時に(ポイント)だけ、そっと手をかけていくというような感覚』、すなわち、これが見守るという感覚でお茶づくりをすることであり、茶樹(点や線)だけでなく、茶園の周辺環境全体(面)も意識してこそ、はじめて「見守るということ」に意義が生まれてくるのだと考えています。

就農当初、自らがイメージするお茶をつくろうとしていた時は、立地条件が異なる茶園であっても同じ方法で栽培管理をしていたので、結果的に、どの茶園からも同じような特徴のお茶が出来ていました。                    しかし、「自然のリズムでお茶がお茶らしく育つ」よう意識した「≒見守るという感覚で」栽培を継続するようになってからは、「方角」「陽当り具合」「傾斜度」「標高」「広さ」「形」「土質」「地質」といった立地条件が異なる茶園ごとに、いろいろな特徴あるお茶が出来るようになってきています。

また茶山に育つ在来種は、品種茶が導入される以前の時代から、この地に適応しながら育ち続けてきた茶樹であるため、そういった視点から在来茶園を観察をしていくことも、とても重要だと考えています。

見守るという感覚でお茶づくりをすることで、毎年、新たな気付きがあり、この気づきを、これからのお茶づくりに活かせるようになってきました。少しずつですが、私のお茶づくりが進化していく準備が出来てきたように感じています。

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奈良県内で実生選抜され品種登録された「やまとみどり」の実生茶園。樹齢は約50年。ゲンダラ。2014年5月撮影

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品種茶が県内に入る以前から育ち続けている樹齢80~100年の在来茶園。ホリコシ峠1。2014年5月撮影。

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品種茶が県内に入ってきた頃から育ち続けている樹齢60年以上の在来茶園。老間。2014年5月撮影。

 

 

 

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